女性活躍推進を具現化する視点
「私はあなたを使いこなすことができません」
こう言われ、入社1か月でクビになったことがあります。
20年以上前のことです。
「新支社のスターティングメンバ―として、やる気のある女性社員求む」との募集でした。
デスク以外、何もない新支社で、支社長ふくむ社員3名、驚くほどに何もせず、ただただ座ったまま、暇を持て余す日々。
1週間が過ぎたころ、ついに私は、一刻も早く、支社が稼働するように、と、思いつくこと、自分ができること、皆でできそうなこと、などを積極的に提案するようになりました。
ところが、支社長は、「上から指示があるまでは何もしない。それでも給料はもらえるんだから」
という考えの方だったようで、
“女のくせに”、面倒なことをアレコレ提案してくる、
“生意気な女”の私が面白くなく、扱いにくかったようでした。
こういう理由でクビになるなんて、もちろん、当時でもありえないことだったのですが、時代が移り変わる過渡期には、実はよくあったことなのかもしれません。
共働きが当たり前の時代へ
あれから女性をとりまく職場環境も大きく変わり、女性の社会における立ち位置、捉え方が随分と変わったように思います。
専業主婦が多かった時代から、共働きが当たり前の時代へ。
企業においても、管理職に女性の数も増え、女性の起業が珍しくなくなりました。
そして、ご存知のとおり、2016年4月には『女性活躍推進法』が施行されました。
果たして、実態はいかほどか。
帝国データバンクが発表した、2018年の『女性登用に対する企業の意識調査』によると、女性管理職の割合が、平均7.2%と、前年比0.3ポイント上昇しているのですが、女性管理職がいない企業は48.4%と半数近くなのだそうです。
引用元:女性登用に対する企業の意識調査
数字にあらわれる歩みは緩やかでも、着実に計画をすすめている企業はたくさんあります。
とはいえ、「事業主行動計画」の策定、公表が義務付けられている対象企業の人事担当の方が、おっしゃいました。
「行動計画とは名ばかりで、実態はあまり変わっていません。
人が変わらないんだから、当たり前ですよね」
女性をどう扱えばいいのか分からない男性管理職が多い
ご相談いただく、一番多いお声は、「女性をどう扱えばいいのか分からない男性管理職が多い」もしかしたら、これが根幹なのかもしれません。
リーダーシップを発揮しながら、女性のメンタルをもフォローし得る、弊社『コーチ型リーダー育成プログラム』の受注が、ここにきて、右肩上がりなのも、頷けます。そこの重要度を、いち早く理解し、征服した企業が、女性活躍推進の具現化へと、大きく一歩を踏み出すのではないでしょうか。
そういう視点をもった企業が増えてくることを大いに期待したいと思います。
この記事の著者
相原 めぐみ