管理職に不足している能力
厚生労働省が公表した[平成26年度版 労働経済の分析 -近年の管理職に不足している能力・資質-]によれば、近年の管理職に不足している能力として、部下や後継者の指導・育成力をあげる企業が61.7%で最も多くなっています。
次にリーダーシップ、統率力・実行力が43.3%と続いています。
引用元:厚生労働省
この結果からもわかるように、日本の多くの企業が管理職のリーダー育成に課題を抱えていることがわかります。
具体的な課題は次の4つに集約されます。
1,部下に対する課題
部下を上手く指導できない、仕事を任せきれないなど。
2,担当部署の課題設定
会社のビジョンに基づいた自分のビジョンを打ち出せない、組織に浸透させられないなど。
3,社内外関係者とのコミュニケーション
上司との関係や、他部署との関係を上手く構築できないなど。
4,自分自身の課題
自分自身の業務に追われ、マネージメントが手薄になるなど。
中でも特に多いのは、部下に対する課題で、着任して半年以内の新任管理職のおよそ8割が課題に感じているという調査結果があります。
しかし、この点は時間の経過とともに払拭されます。
多くの管理職は経験から学習し課題を解決していきます。
むしろ問題なのは、「自分自身」に関する課題で、これは時間が解決してくれるものではありません。
これは、他人の力(視点)を借り、他人から見た自分の姿を明らかにして、そこから見える課題を知り、解決できるかもしれません。
また、自分の判断軸を明確にするということも重要です。
人は何かを判断するとき、自身の価値観や信念をもとに判断を行うと言われています。
管理職に確固たる価値観、信念がないと場当たり的な判断になり、スタッフとの信頼関係を構築することができず、目指す姿を組織に根付かせることができません。
管理職自身が自らが自分の視点と他人の視点などを通じ、現状を正しく把握し、確固たる信念と判断軸を作ることが重要であると言えるでしょう。
また、これまで作り上げてきた自分の判断軸を疑うことも、「自分自身」の課題に気づく一歩なのかもしれません。
この記事の著者
清野秀之