年上の部下と良好な関係を築くコツ
厚生労働省のデータによりますと、転職率は10.2%となっており、1年の間に10人に1人は転職しているという結果になっています。
毎年それだけの割合で転職している人がいるということは、年上の部下をもつケースもまれではなくなってきています。
大手転職サイトのある転職理由ランキングによりますと、
1位 ほかにやりたい仕事がある
2位 会社の将来性が不安
3位 給与に不満がある
という結果で、
業種別や職種別、男女別での調査でも同じような理由が上位にあがっており、特に3位の「給与に不満がある」が上昇傾向にあるのだとか。
これは、「もっと自分の仕事を評価して欲しい」という転職者の裏の感情の現れともいえます。
「これだけの仕事をしているのだから、もっと給料をもらってもいいのではないか。」と思っているということです。
そんな思いを持って転職してくる転職経験の多い年上の部下とうまく関わり、能力を発揮してもらうためにはどうしたらいいでしょうか。
自分が発している部下への言葉のコミュニケーションを意識してみることです。
評価を求める部下へ「仕事への評価」を与えればいいと思っていたら、それは少し危険です。
評価されることを目的に仕事をやる思考になってしまうからです。その思考で仕事をしていると、評価されないときにやる気スイッチがとたんに切れてしまいます。
では、どうしたらいいのか。
「仕事を評価」するのではなく「その人自身を認める発言」を心がけてみてはどうでしょうか。
たとえば、仕事の報告書をあげてきた年上の部下に対して、「この報告書とても良くかけてますね。」と仕事に対して評価をする褒め方をしてしまうと、年上の部下の場合、「あたりまえだろ…。」や「おまえに言われたくない。」などの感情が湧く人もいるかもしれません。一方、「○○さんが書いてくれる報告書はいつもとても分かりやすくて助かります。」とその人自身の存在を認める伝え方だと受け取る印象は大きく違ってきます。
部下を褒めることに抵抗がある方でも、その人自身を認めること、つまり「承認」を軸においた言動や行動を心がけることはそれほど難しくないでしょう。
それは、年上の部下のプライドを守りながらその能力を最大限に引き上げ、長く働いてもらうコツとも言えます。
TCS認定コーチ
ふなみず けいこ