男性の育児休業取得がもたらす効果について

男性の育児休業取得がもたらす効果について

2009年に改正された育児・介護休業法により配偶者が専業主婦であっても育児休暇を取得することが可能になりました。
男性の育児参加や育児休業取得を促すための「パパ・ママ育休プラス」の制度が2010年に新設されて9年。

2016年には国としても男性の育児休業取得を奨励すべく「両立支援助成金」が創設されております。
今や、育児休業は女性だけの権利ではありません。

男性が子育てのために胸を張って使える制度として認識されつつあります。
男性でも育児休業を取得すべきと考えられるようになった背景として、「ワークライフバランスの実現」が注目され始めたことがあります。

実際、大手企業代表や自治体のトップ自らが育休を取得する動きも注目されて来ており、男性社員が100%育休を取得できる職場づくりに取り組みはじめた企業もあるなかで、現状では5.14%(厚生労働省「平成29年度雇用均等基本調査」)にとどまっており、育児休業をはじめとする両立支援制度を利用する男性は少ない状況です。

しかし、一方で、3歳未満のこどもを持つ20~40歳代の男性社員のうち、育児休業を利用したかったが利用できなかった人の割合は3割にものぼり、実際の育児休業取得率5.14%との乖離が生じています。

育児休業を利用しない理由としては、

●業務が繁忙で職場の人手が不足していた
●育児休業を取得しづらい雰囲気だった
●育児は母親の役割、育休をとれば
キャリアに傷がつくなどと言われた

など職場の要因が理由の上位に多く挙げられています。
(三菱UFJリサーチ&コンサルティング「平成29年度仕事と育児の両立に関する実態把握のための調査」、日本労働組合連合会「パタニティ・ハラスメントに関する調査」)

男性の育児休業取得を進めるにあたっては、『育児をしたい』といった男性の希望の実現だけでなく、産後の妻が孤独な育児に苦しむことで引き起こす『産後うつ』を救うことにも繋がっています。
また、第2子以降の出産意欲にも良い影響があるという点で、少子化対策においても大変大きな役割を担っています。

子育ては夫婦が協力して行うものとなりつつある今、女性のみにその負担を強いるのではなく、男性も育児休業を取得するなどして、積極的に携わっていく姿勢が求められます。
日本の子育て事情が変化していくなか、仕事と子育てを自ら率先して楽しむ男性が増えることで、女性の社会進出やキャリア形成にも変化が訪れ、それは未来を担う子どもたちにも大きな影響があるはずです。

また、こうしたワークライフバランスの実現は、社員のモチベーション維持、優秀な人材の確保、定着につながる重要な経営戦略の一つと言えます。
そんな子育て世代の男性社員の育児参加を支援する中高年世代の経営者や管理職に一番求められるものは、

意識改革と変化に対応出来る柔軟なコミュニケーション能力ではないでしょうか。

TCS for companyではワークライフバランスの実現に向け、マザーズコーチングの内容を一新した、ペアレンツコーチングの提供も行っています。

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TCS認定コーチ
安保 奈緒美