離職防止にはコミュニケーション!?
企業の管理職や人事の方から、よく聞く声があります。「沢山のお金をかけて採用をしても、
社員が辞めてしまうと困る」と。
大卒の3割が3年以内に辞めるという話を一度は耳にしたことがある方は多いのではないでしょうか?
厚生労働省は、学歴別の『卒業後3年以内の離職率の推移』という統計を発表しています。
これによると、26年度の大卒の3年後の離職率は32.2%、高卒で40.8%。
※5~29人規模の会社に限定すると、それぞれ50.2%と56.4%に跳ね上がります。
引用元:厚生労働省
「最近の若者は…」という声を耳にすることが少なくはないのですが、果たして、この数字は高くなっているのでしょうか?
※28年間(昭和62年からのデータ)5~29人規模の会社は11年間(平成15年からのデータ)ほぼ横ばいです。
主な退職理由は一体何なのでしょうか?『エン転職』(エン・ジャパン株式会社)が、『退職理由のホンネとタテマエ』と題してこんなアンケート結果を出しています。(有効回答数1515名)
引用元:enジャパン
会社に伝えた退職理由は本音と異なりましたか?Yesが47%と、退職者の約半数が本当の退職理由を会社側に伝えていないことが分かりました。
そして、退職の本音、つまり本当の退職の理由の1位は「人間関係」という結果が出ています。
かくゆう私も人間関係で悩み、体調の悪化を主な理由に本音を伝えず、約3年で最初の会社を退職した経験があります。どうせ話をしても理解してもらえないだろうという諦めや、会社を批判しているように思われても嫌だ、波風立てたくない、という心境だったように思います。
コミュニケーションがうまくいけば、人間関係は円滑になると言っても過言ではありません。最初に述べた離職率のデータから見ると、約30年間も会社内でのコミュニケーションに変わりがないと考えてもおかしくはなさそうです。
コミュニケーションを学ぶというのは、ただ仲の良い関係を築くものだけではありません。自分を信頼する力を見つめ直し、理想の自分に向かい挑戦を楽しむことが出来るようになること。そして、大切な人に手を差し伸べられる人になること。
生きていく上で必要不可欠なコミュニケーションを学ばずに、社会人になり、社内でのコミュニケーションミスが頻繁に起き、離職率が一向に低くならずに30年間も同じ結果なのかもしれません。
あなたの会社は、「コミュニケーションには自信がある!」と、胸を張って言えますか?
この記事の著者
斉藤彩