働く母親を襲う不安の正体

働く母親を襲う不安の正体

厚生省研究班より、産後1年未満の死因は「自殺」が過去最多で、2015~16年の2年間に妊娠中や産後1年未満に自殺した女性は全国で102人いたとの調査結果が公表されている。

「産後うつ」の画像検索結果

出産したあとの女性は体調や生活リズムが大きく変化することなどで10人に1人の割合でうつになると指摘されている。
しかし、自殺にまで至るケースがどれくらいあるのか、実態は分かっていなかった。

産後のうつの対策をめぐっては、国は2017年度から、出産まもない母親の心の問題を含めた健康状態を把握する取り組みを支援する制度を始めたが、初年度に実施した自治体は4%にとどまっている。

この数字を見て、一瞬自分自身の過去を思い浮かべ、元気に笑う我が子の成長を見届けられている今を感謝した。

「産後うつ」という言葉は、もう他人事ではない。

私は独身時代から長く続けてきたやりがいのある職場を、第一子の育児休暇を経て復帰後、ライフワークバランスに苦しみ、結果的にうつになり、退職した人間の一人。

当時は「死にたい」と思った事もあった。
「子供がいなければ」と思った夜は数えきれない程あった。

「産後うつ」という言葉は、もう他人事ではない。

保育所や、託児所、ベビーシッターの充実も、働き続ける母親にとってはとても大切な事。
ただその前に、「働く母親の心」が整っていなければ、どれだけ会社側が時短勤務や配属を変えるなど「環境」を用意したとしても、子育てとの両立はうまくいかない。

それでは「働く母親の心を整える」とは一体どんな事をすればできるのか。

働く母親の心を整える

働く母親、職場復帰を控えた母親を襲う「不安」は人それぞれ。

現在、私自身もマザーズコーチングスクールという0〜6歳の母親向けの子育て講座を開講し、たくさんのワーキングマザーや育休中のお母さん達の悩みを聞く中で、年齢もバックグラウンドも違う彼女達が共通して感じている不安は「孤独」と「罪悪感」であった。

誰かといても、「孤独」を感じる母親はたくさんいる。

十分過ぎる程、仕事に家事に子育てに頑張っていても、出産前より働けなくなった事への会社への罪悪感。
働きながら子供を保育所に預ける事への罪悪感。

この「孤独」「罪悪感」という存在が本来の彼女達のエネルギーを恐ろしいまでに消耗しているという事実を知った。

そして「誰かに」助けてもらいたい。
「誰かに」分かってもらいたい。ともがいていた。

その先が私同様、心を壊し、退職。という事も少なくはない。
「誰か」に「何か」をしてもらわなくとも、「自分で自分の心を整える」スキルが、働く母親の必須スキルとなる時代なのかもしれない。

自分とのコミュニケーションを学ぶという事は、今まで自分を責め続け、自己肯定感を落とし続けて来たコミュニケーションパターンから卒業し、在りたい姿へ向かう第一歩となる。
自分で自分を守り、自分で自分をマイベストに持っていける事が出来たら、それはまた大切な仲間を守り、大切な仲間を心から応援できる私になれるのかもしれない。

一人一人が幸せにやりがいを持てたら、そのチームの未来は明るいのではないでしょうか。

この記事の著者
西田みゆき